まなぼうや通信

 

四日市市楠歴史民俗資料館

 江戸時代に庄屋として活躍した岡田家の土地・建物が子孫である岡田さんより寄贈されました。江戸時代中期に建築され250年を耐え抜いた建物を整備、修復し「四日市市楠歴史民俗資料館」として公開されています。主屋(おもや)部分、立会所、及び蔵部分は四日市市有形文化財(建造物)の指定を受けています。
 しかし、古くなって危険なため撤去された建物として、使用人のための部屋「女子部屋(おなごしべや)」「しもや(作業所)」養蚕の作業を行なう「養蚕所」、「米蔵」がありました。「米蔵」の跡地に展示棟が新設されています。新設された展示棟には 歴史的に貴重な建物、資料が展示されています。
  四日市市楠歴史民俗資料館保存運営委員会の皆様はボランティアで「語り部」、「案内」として活躍されています。

旧庄屋、岡田家
  古文書には庄屋武兵衛 文政12年(1829年)と記載されており、この頃より本郷村を治めていたと思われます。庄屋は、郡奉行や代官の代行執行官で年貢米の取立てや浪人取締りなど、組頭や村方役と、村政について協議し村を治めていました。
  江戸時代から農業を営み、明治22年(1889年)の町村制が施行されるまで庄屋の重責を担っていたことがうかがえます。大正時代には楠村の村長、昭和には初代町長を務めており、江戸から明治・大正・昭和の3時代にわたり、地方行政に携わった旧家です。

主屋(おもや)     

整備、修復された貴重な施設
主屋(おもや)

  南面を正面とした切妻造りで、屋根瓦は新しく葺き替えられました。玄関を入ったすぐ左に大正時代に本郷で最初に設置された「電話室」があり、右手は「しもべや」見上げると藁や薪、及び雑物などを収納した「厨子(つし)」が見えます。奥は、炊飯用のかまどがあり天井は「すのこ天井」でかまどの煙を逃がす役目をしていたと思われます。
  左の部屋は仏間、座敷、2つの台所、納戸(なんど)と5部屋のつくりとなっています。座敷には、農家には珍しい格子を付けており庄屋らしいたたずまいとなっています。また、座敷や南だいどこ(南台所)の鴨居には「槍架け」があり、往時の様子がうかがわれます。建築年は18世紀中頃と推定されています。

だいどこ      

立会所
  村政について協議していました。そのための定期会合をする場所(行政会議所)のことで、後日の証拠のため、その場に臨席する村人のための建物です。主屋とは異なり洗練された造りとなっています。南側に2間(座敷)、中廊下を挟んで北側に2間(小座敷)あり、裏庭には、約1坪の水屋(茶器などを洗う所)が付属しています。大人数の会議は南側の座敷で、北側の小座敷は控えの間として使っていたようです。建築年は明治3年(1870年)と推定されています。

 


  主屋と同じ18世紀中頃に作られたと推定されています。厚い土壁で覆われた耐火構造で、内部には岡田家の冠婚葬祭などに使用されたと思われる膳や陶器類、漆器などが数多く収蔵されています。

蔵       

新設された展示棟
  年貢米を貯蔵する「米蔵」の跡地に展示棟が新しく造られました。常設展示室と企画展示コーナー及び事務所があり、2階には岡田家の収蔵品や民俗資料900点余りが保管されています。常設展示は定期的に入れ替えされ、企画展示は地域の方々の写真展や趣味の作品などを募集し発表の場として提供し、喜ばれています。

展示棟      

四日市市楠歴史民俗資料館保存運営委員会
  平成14年に旧楠町が建物の寄贈を受けて以来、杉中 勤委員長を中心に10人のボランティアで運営され、保存、整備、修復に取り組み平成17年3月に民俗資料館として無事完成しました。説明資料も小学生用と大人用を作り見学者に応じて分かり易い対応をしています。
 「特に、小学生には楠町の歴史、岡田邸の生活用品、調度品、農機具、珍しい品物を通じて昔の人達の知恵と工夫を学び将来に生かしてほしい。」「保存運営委員会に次代のボランティアが集まり、ますます成長できればと願っています。」と語ってみえました。

 

問い合わせ
四日市市楠歴史民俗資料館(http://www.kusu-minzokusiryoukan.com/)
     〒510-0106 四日市市楠町本郷1068番地
     Tel. 0593-98-3636 Fax. 0593-98-3637
     開館時間9時〜17時  入場料 無料
     休館日  月曜日、年末年始

 

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