まなぼうや通信

魅力あふれる「郷土文学ゼミナール」

四日市市・四日市市文化協会・郷土作家顕彰会が主催する「郷土文学ゼミナール」(第7期)が今月から始まります。まなぼうや通信vol.6で取り上げた菰山文芸を紹介した志水雅明さんの魅力あふれる講座もあり、楽しく四日市地域ゆかりの郷土文学を知ることができますので、興味のある方にお奨めします。
郷土文学ゼミナール
  昨年は「駅と作家」というテーマで北勢地域の各駅に焦点を当て、郷土ゆかりの文学者がどのように行動し、作品化したかを講師の方々に話していただきました。
  第1回目は中原中也の詩集「在りし日の歌」から、詩人の津坂治男さんによる講座でした。
 桑名の夜は暗かった……で始まる詩「桑名の駅」は昭和10年夏、中原中也が妻と8カ月の長男文也を連れて上京する途中に、長時間桑名駅に停車した時の作品です。ところが文也は翌年二歳で病死。愛児の死にショックを受けた中也は、精神が不安定になり、翌年、結核性脳膜炎で死去しています。

                          平成6年、桑名駅1番ホームに建立された中也の詩碑 
          
 すべて郷土の駅が話題ですので、親近感があり、中身の濃い講義でした。
 最終回の文学散歩では、四日市出身の作家、伊藤桂一さんの足跡をたどり、生家の四日市市寺方町の天台宗高角山大日寺およびその近隣の遺跡史跡をめぐりました。


                                    史跡めぐりでガイドをする志水さん

 今年も6月27日を皮切りに開催されます。今回は「海の文学」というテーマで、風光明媚(ふうこうめいび)なわが郷土の海を描き、詠った(うたった)文学者の話をしていただきます。申込書は各地区市民センターなどにあるそうです。
 昨年の郷土文学ゼミナールを受講した時にお聞きした話が、今回の志水雅明さんへの取材でより興味深い話に発展していきました。
民話に秘められた興味ある事実
  民話のなかでも「むかし話」は、世界共通にあります。例えば、桃太郎の話をご存知でしょう。同じような話が中国にあり、これが原形といわれています。犬、きじ、猿を連れて鬼が島に行く物語ですが、もともとは嫁とりの話だそうです。若者は世間の苦労をして乗り越える(通過儀礼)ことにより、立派な大人になり、お嫁さんを得なければならないという教訓が語られているそうです。三匹の動物も十二支から選ばれ、災い(鬼門)を封じる意味から設定されています。「むかし話」は本来の意味がその土地にあった内容に変化して伝わっていきます。
 このような興味深い話が次から次へ出てきますので、取材を忘れて聞き入ってしまいました。
 『みんなの民話 片目の龍と清太の村』は、平成20年8月に志水雅明さんにより執筆発行されました。わたしたちの郷土に伝わる消滅寸前の民話が20編収録されていて、非常に興味ある内容となっています。


                                           最近の志水さんの著書

詩碑建立
  志水雅明さんは今年1月に、四日市市制111周年記念出版として『四日市の礎 111人のドラマとその横顔』を執筆発行されました。
  その中のお一人、郷土の誇る文学者、直木賞作家で芸術員会員の伊藤桂一さんの誕生日8月23日に向けて、寺方町の大日寺境内に詩碑を建立する準備が、文学愛好者や地元の方々と進められています。

問い合わせ
日本文藝家協会会員・郷土作家顕彰会代表 志水雅明   Tel.059-326-1970

志水雅明さんについては、「生涯学習の達人」で紹介しています。

 

戻る