まなぼうや通信

ウオーキングを楽しむ! 鈴鹿山脈の峠を訪ねてA

街道にある峠としては、武平峠、石榑峠、鞍掛峠などがよく知られています。街道の様子も、今は車での通行がほとんどで、昔と大きく様変わりしています。県境の尾根縦走路にある峠も、最近の登山ブームの影響で訪れる人が多くなっています。昔をしのびながら歩いてみると新しい発見もあって、さらに楽しくなるでしょう。

岳(だけ)峠 ― 鎌ヶ岳南方の登山道の要所

 標高1075mと比較的高い峠で、登山道の要所となっています。南方は水沢峠、北方は鎌ヶ岳、東方は宮妻峡、雲母 (きらら) 峰へ通じ、近くには長石谷への分岐もあります。まなぼうや通信12号の 「鈴鹿山脈を歩いてみよう」 にも記しています。岳峠は、宮妻峡へ通じる道路の終点から行くのが最短のコースでしょう。林道に入るとすぐ右側に鎌ヶ岳登山口の道標があり、これに従って歩いていくと2時間半ほどで着けます

武平(ぶへい)峠 ― 二県をつなぐ道路が下を通る
  峠の名の由来は、近江の日野の豪商・日野屋五兵衛が峠の近江側に小さな茶店を設け、その後、近江蒲生郡木村出身の久田武平が譲り受けたので、その名がついたようです。

 峠の下には、鈴鹿スカイライン (国道477号) が通っています。2年前の豪雨災害から不通になっていましたが、滋賀県側はトンネルまで通行可能で、三重県側は平成23年4月に開通予定と聞いています。



  トンネルの両側には駐車場があり、峠まで15分ほどで登れます。峠から南方は鎌ヶ岳、北方は御在所岳へ1時間ほどです。稜線からの眺めは素晴らしく、あまり苦労せずに登れるので、眺望を楽しんでほしい峠です。

国見(くにみ)峠 ― いつも賑やかな峠
  御在所岳の裏道コースの8合目になっています。北方は国見岳、南方は御在所岳、西方は上水晶谷 (愛知川流域) 出合いへと通じています。鈴鹿山脈の峠の中で一番登山者が多く通過する所でしょう。

 上水晶谷の道を下りて行くと、一変して静かな雰囲気の沢沿いの森林となります。秋にはシロモジなどの紅葉 (黄色) が美しく、愛知川独特の雰囲気のあるこの地域は、多くのマニアが訪れ楽しんでいます。道が分かりにくいので、歩く時は慣れた人の同行をお薦めします。

根の平(ねのひら)峠 ― 旧千種街道の峠
  朝明キャンプ場の駐車場から林道に入り、道標に従 って歩くと、1時間くらいで行けます。

 南方に縦走路を歩けば2時間ほどで国見岳、北方へ歩けば1時間半ほどで金山、水晶岳を経て羽鳥峰 (はとみね) 峠です。西方には 「旧千種街道」 といわれる道が続いています。旧千種街道とは、三重県菰野町千草から滋賀県側河津畑へ抜ける道です。戦国時代には織田信長をはじめ多くの武将が往来した間道であり、伊勢商人と近江商人の交易の道でもありました。



  根の平峠から国見岳裏の上水晶谷の出合いまでは、根笹の平原で、それが名のいわれになっているようです。この辺りは炭窯の跡があちこちに残っており、千草から入山した人々がクヌギやカシノキを買い求め、ここで炭を焼いて千草へ出していました。歩きながらわずかな石積みの跡を見ても、昔がしのばれます。
  春の芽吹きのころや、秋の紅葉のころに歩くと、鈴鹿の上高地と言われるように、優しい心いやされる風景に出会えます。心地よい柔らかい腐葉土の道、辺りに散在する岩には独特の緑色したコケがつき、小さな沢には小さな滝もあります。愛知川流域の素晴らしい散策もお薦めします。


 

 

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