まなぼうや通信

 

幽玄を追い求める 能面の世界

日本の伝統芸能「能」や「狂言」で使われる面(おもて)に出会い、その美しさに魅せられ、以来ライフワークとして面打ちを楽しんでおられる坂田裕(昌圓)さんと能面をご紹介します。


並べられた面の数々   袋はお姉様の手作りです

能面との出会い
  坂田さんは、平成10年、転勤で京都に単身赴任しているとき、知り合った人に能面を見せてもらい、その幽玄の美しさに自分も打ってみたいと、高見昌山先生が主宰されている「面朋会」に入会されました。
  京都での5年間、先生のもとで面打ちの技を習得。定年退職で四日市市に戻ってからも毎週、京都へ通い、技術の向上に努めておられます。
  これまでに作られた面は70面(能面50、狂言面20)。説明をお聞きしながら作品を見せていただきました。 美しく丁寧な仕上がりにも、坂田さんはもっと質を上げたいと意欲的です。


縁側で面打ちをする坂田さん

能面
  能は日本の伝統芸能の一つで、狂言を含め能楽と呼ばれます。能面の種類は約250種と言われています。観世、金春、金剛、宝生、喜多、各流派保有の面の写しなどから再現して面を打ちます。能面をかけるのはシテ方で、ワキ方が用いることはないそうです。
  面には、女面、男面、鬼神面、翁、尉(じょう)などがあります。小面、若女、万媚(まんび)、深井、老女と並べられると、女性の顔の年齢による変化が一目瞭然です。
  能面と狂言面の違いは、能が動きによって表情を出すのに対し、狂言は表情を面で表すそうです。

面打ち
  面の材料は主に檜(ひのき)で、よく乾燥したものを使います。

   @ 面型を写し、余分なところをのこぎりで落としてから、ノミで丁寧に輪郭を作る。
   A 縦型で額、鼻、顎の位置を決めて彫る。
   B 面裏をくり抜き、鼻、口、目を型紙どおり仕上げる。
   C 木地の表面を仕上げ、面裏に漆を塗り重ね、乾かす。
   D 下塗り用の胡粉を膠 (にかわ) で溶いて塗り、乾かして、サンドペーパーで
     滑らかに整える(3〜5回繰り返す)     
   E 上塗り用顔料を塗り重ねる。
   F 彩色をする。髪の毛、眉を描き、目元、口元、歯などに色を入れて完成。

 仕上げには約3カ月ほど要します。


何度も型紙を合わせながら彫ります

面打ちの魅力
  坂田さんは平成22年11月、菰野町のギャラリー「望」で「能面・狂言面展」を開催。2週間の期間中に約1,000人が鑑賞されました。また、智積町の椿岸神社の「獅子舞」の口取りの天狗面を奉納、祭礼に使われています。同神社には、拝殿を建て替える時、坂田さんが柱で作った面の額も飾られています。
  坂田さんは、「尊敬する師や仲間ができたこと、材料や道具を通しての友達と話ができることが楽しい。これからも心と技術を終身の課題として取り組んでいきたい」 と話しておられました。興味のある方は坂田さんまで。

ギャラリー「望」での作品展の様子

椿岸神社の拝殿に掲げられている能面奉納額


四日市市無形文化財 椿岸神社の獅子舞

問い合わせ先
  
 坂田 裕さん  Tel.059-326-2055

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